きみは微糖の毒を吐く



「え、本当だ!みんなでお祝いしようよ!」
「放課後にカラオケでも行くか?」



わっと近くにいた人たちが集まってきて、私は何も言えなくなる。



「あー、その日撮影だわ」



絢斗くんはスマホでスケジュールを確認して、そう答える。



「なんだよ、じゃあ後日改めて遊ぼうな」
「学校でもお祝いしようよ!」




盛り上がっている絢斗くんのお友達たちを見て、しゅんと肩を落とす。


そっか、お仕事か。
まあそんな気はしていたけれど。




「……で、お前は何の用?」




その横に突っ立っていた私を見て、絢斗くんが聞く。


18日、私にお祝いさせてほしいだなんて言えるはずもなくなってしまった。




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