きみは微糖の毒を吐く
私は料理はできてもお菓子を作ったことなんてあまりないから、いきなり難易度の高いフォンダンショコラをつくるのは本当に大変で。
指を3か所くらい火傷してしまった。
絢斗くんとは手も繋いでないから気付かれていないけどね。
そんなやっとの思いで完成させたフォンダンショコラを紙袋に入れて持ってきたけれど、絢斗くんの周りには人がいっぱいで全然近づくことができない。
「絢斗くん、お誕生日おめでとう!」
「絢斗―、これプレゼント!」
絢斗くんは男の子からも女の子からもたくさんプレゼントをもらったみたいで、絢斗くんのロッカーは華やかな紙袋で埋まってしまった。
……これ、私のプレゼントまで受け取ってもらえるかな。
ていうか、いつ渡せばいいんだろうか。