きみは微糖の毒を吐く
「え、服?」
「そう!絢斗に似合いそうだなーと思ったスウェット」
「ありがと」
袋から出てきたのは黒いスウェットで、絢斗くんにすごく似合いそうだ。
さすがモデルさんはセンスがあるんだなぁ、なんて感心したけれど、余計に自分のスマホケースとお菓子が惨めに思えてくる。
こんなの貰っても絢斗くん、迷惑なだけかな……。
「本当はケーキでも焼いてあげようかと思ったんだけどー、絢斗って手作りのお菓子とかめちゃくちゃ重くて嫌がりそうだなと思ってやめてあげた」
「あー、たしかに」
「手作りとか重くて無理なタイプでしょ」
「手作りは無理だわ」
「あはは、やっぱり。じゃあ私帰るね。お疲れ様」
「お疲れ、プレゼントありがとな」
手を振って別れた2人。だけど絢斗くんの前に出ていくことなんてできなくて、公園の中で1人で固まる。