きみは微糖の毒を吐く
「……とりあえず上がってく?」
どうして急に優しくするんだろう。
しゃがんで、私と目線を合わせて。
眉を下げて、ちょっと困ったみたいな顔で。
そんなこと言うから、心の奥がぎゅうっと締め付けられる。
「い、いいの……?」
「会いにきたんじゃないの」
「そう、だけど」
「じゃあ来れば」
こくこく、と首を縦に振って、絢斗くんの後ろをついていく。
潔癖だから、誰も部屋に上げたくないんじゃなかったの?
ねえ、絢斗くん。
私、期待しちゃうから、そんなに優しくしないでよ。