きみは微糖の毒を吐く



「……知らないのかと思った」



少し拗ねたような顔をして、私の顔を見ないで。

……そんなこと言うの、可愛くてずるいよ。





「知らないわけ、ないじゃん」

「あ、そ」




急に冷たくなるの、照れ隠しだって思ってもいいのかな。

少し頬が赤いの、私のせいだって思ってもいいのかな。




……どうしよう、プレゼント。



重いって思われたくないし、しょぼいって思われたくないし、紗英さんの方がいいなって思われたくないし。

渡したいけど、渡したくない。




< 96 / 279 >

この作品をシェア

pagetop