ある雪の降る日私は運命の恋をする-short stories-
「のえちゃん、じゅんびできたー!」

「あ、ちょっと待ってね!今行くからね。」

とりあえず、今しまっていたものだけを棚に入れ、リビングに戻る。

リビングに戻ると、楓摩が望笑夏の持ってきたおもちゃをリビングにあるおもちゃ箱にしまってくれていた。

「あ、楓摩ありがとう!!助かるー」

「ううん。こちらこそ、荷造りやって貰っちゃったからこれくらい少ないくらいだよ。声からするに、今度は葉月の所に行けばいいかな?」

と楓摩は微笑んでくれる。

「うん!そうしてくれると助かる。」

「りょーかい。」

いつも、病院で夜遅くまで忙しく働いて疲れているのに、家に帰ってきてからも私の手の回らないところをやってくれる。

本当に優しいな、としみじみと感じる。

「ねーえー、のえちゃんじゅんびできたよー」

そう拗ねた声で服を引っ張られ、我に返る。

「ああ、ごめんね!今見てあげるからね。」

そう言いながら望笑夏のリュックを開けると、望笑夏がいつも抱いて寝ているテディベアが入っていた。

よっぽど、好きなんだな。

まあ、出産祝いで貰ったものだからずっと長い間一緒だもんね。

微笑ましく思いながらリュックを閉める。

「ばっちりだよ。じゃあ、のえちゃんは寝る準備して早めに寝ようか。」

「うん!」
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