ある雪の降る日私は運命の恋をする-short stories-

楓摩side

「ゆづ、はいこれ水着。着方わかる?」

朱鳥、葉月、望笑夏の女子チームと別れてから、柚月と2人で更衣室へ向かう。

この日のために!と朱鳥が張り切って準備して買っておいた水着を柚月に渡す。

「ゆづ、自分で着れるよ」

頼もしい言葉を貰って柚月に水着を渡す。

まあ、海パンなので着るのはさほど難しくはないだろう。

柚月を見守りつつ、俺も服を脱いで水着に着替える。

さっさと着替え終わって、脱いだ服をロッカーにしまっていると、柚月に海パンの裾を引っ張られた。

「ん?どうした?」

「……ひも」

ああ、海パンの紐が結べないのか。

まあ、まだこの歳だと難しいよな。

「りょーかい」

大人サイズよりも全然小さい海パンの紐を結んでやる。

一応持ってきた水泳ゴーグルを首から下げ、柚月にも子ども用のを渡した。

柚月がゴーグルを首に下げている間に、柚月の服も畳んでロッカーにしまう。

ちょうど片付け終わったところで、柚月も上手くできたようだ。

いつもよりわくわくして楽しそうな柚月と手を繋ぎ更衣室を出た。
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