ある雪の降る日私は運命の恋をする-short stories-
何も無いといいけど……

うっすらとした不安を抱きつつ、俺は柚月と共に男湯へ向かった。

「ゆづ、ごめんだけど、ママに何かあったら大変だから、今日は早めに上がってもいい?」

そう聞くと、柚月はしっかりと頷きを返し了承してくれた。

杞憂だといいなと思いつつも、さっきの事があったから尚更不安になる。

…でも今は、柚月もいるし、せっかくの温泉なんだから楽しまなくちゃ。

そう考えつつ、服を脱ぎ脱衣場の籠へしまって行く。

柚月より先に俺の準備は完了して、時間もあるしお風呂上がりの浴衣と柚月の分の下着を柚月の籠へいれてやる。

そうしているうちに、柚月も用意が出来たようだ。

「よし、じゃあ行こうか。温泉は床が滑るから気を付けて。」

「うん」
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