ある雪の降る日私は運命の恋をする-short stories-
食卓テーブルでは、既に子どもたちが用意していた朝ごはんを食べている。

「飲み物何飲む?」

「のえ、オレンジジュース!」

元気いっぱいに答える望笑夏が微笑ましい。

「僕、牛乳」

「了解。葉月は?」

飲み物を注ぎながら、眠そうな葉月に問いかける。

「…オレンジジュース」

「わかったよ。」

万が一落としても良いようにプラスチックのコップに飲み物を入れて食卓の上に出してあげる。

食卓は、柚月と葉月が隣、その向かいが私と楓摩の席、そして柚月と私の間 お誕生日席(?)が望笑夏だ。

飲み物を出してから、私も席に着く。

望笑夏は、テレビに夢中でご飯を食べる手が疎かになることがある。

気付いたら、ご飯を食べるように促すようにはするのだが、またすぐに夢中になる。

「こーら、のえ、ちゃんとご飯食べないと。」

「はーい」

返事だけはいいんだけどね。

柚月は、相変わらずしっかりしていてすぐにご飯を食べ終わる。

葉月は、まだ少し眠たそうなものの、いつもご飯を食べているうちに目が覚めてくるのか、徐々に調子が出てくる。

ある程度、子どもたちの様子を見てから、私は望笑夏に持たせるお弁当の準備をする。

子どもたちが寝ている間にある程度準備はしておいたから、あとはお弁当箱に詰めるだけ。

去年までは、葉月と柚月もお弁当だったからかなり大変だったけど、今年から2人は給食が始まったから少し準備が楽になった。

パッと準備を済ませ、忘れないように玄関の棚の上、望笑夏の幼稚園バッグの隣に置いておく。

リビングに戻ろうとした所で、楓摩の部屋の扉が開いた。

「朱鳥、そろそろ行ってくるね。」

「あ、もうそんな時間か。うん。行ってらっしゃい。」

スーツを着た楓摩は、子どもたちにも行ってきますと言ってから玄関に向かう。

「じゃあ、行ってきます。」

「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

そう楓摩を見送ってから、私は再びリビングに戻る。
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