ある雪の降る日私は運命の恋をする-short stories-
「何をそんなに怯えてる?何がそんなに怖い?」

「ちがっ、俺は怯えてなんかっ」

「ほら、怯えてる顔してるじゃん。」

…………

俺は、何をしたいんだろうな……

ずっと母さんの圧に押されて、失望されないようにってがむしゃらに走り続けてきたけど…

結局、失敗ばかり……

また、人を失望させてばかり……

これじゃあ本末転倒なのに……

「……俺はさ、お前の事情とか知らないからさ、適切なアドバイスとかあげることはできない。けどな、一つだけ言えることは"もっと周りを頼れ"。お前が何に苦しんでるのかわからないけど、苦しいなら相談すればいいだろ?同期に話しにくかったら俺でもいい。俺にも話しにくかったら、もっと親しい友人とか、兄弟とかさ。お前、兄貴いるだろ?兄貴頼ってみたらいいじゃん。だって、お前の兄貴精神科だろ?ストレス抱えてるんなら相談してみればいいじゃん。」

……こくん

俺は力なく頷くしか無かった。

今日の一連の出来事で俺の心はもうズタズタだった。

もう上手く考えを巡らせることも出来なくて、俺は先生が居るにもかかわらず、そのまま布団に潜り込んでしまった。

何もかも、忘れてしまいたかった。
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