ある雪の降る日私は運命の恋をする-short stories-
食器を片付け終わり、望笑夏の登園準備を手伝う。

その時、昨日楓摩に言われてたことを思い出した。

「あ!」

「ママ、どうしたの?」

キョトンと首を傾げる望笑夏。

「どうしたのー」

続いて葉月と柚月も駆けつけてくる。

ちょうどいい、ここでみんなにお知らせしちゃおう。

「あのね、みんなにいいお知らせがあるんだけど…聞きたい?」

あえてもったいぶってそんなことを聞いてしまう。

「うん!聞きたい!」

「ききたい!ききたい!」

「僕も。」

聞きたいとはしゃぐ葉月と望笑夏と対照的に、柚月は嬉しそうに微笑みながらも冷静だ。

「ふふっ、あのね明日パパお仕事お休みだって。」

そう言うと、3人の顔がぱあっと明るくなるのがわかる。

普段、土日も病院にいることが多かったり、休日も呼び出しの多い楓摩。

だから、みんなパパに会える時間が大好きなのだ。

「そして、お知らせ2つ目」

「なにっ!なにっ!」

興奮して、足をバタバタさせる望笑夏を微笑ましく思いながら、口を開く。

「明日から、旅行にいきます!」

「えー!!」

「ほんとっ!やったー!」

「わあ、やったあ。」

3人とも嬉しそうにしてくれて、私まで嬉しくなってしまう。

「しかもね、明後日はパパが遊園地に連れて行ってくれるって。」

そう言うと、3人は顔を見合わせてからまたさらに表情が明るくなる。

「遊園地!やった!私、メリーゴーランド乗る!」

「のえちゃんもー!」

「ゆづ、クルクル回るコップのやつ乗りたい」

「うん。色々アトラクション乗ろうね。」

発表だけでこんなに喜んでくれるなんて、当日行ったらどれだけ喜んでくれるだろう。

想像しただけで今から楽しみだった。
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