【完】あなたに送る5文字の言葉
先輩はそれだけ言うと、また他の人の所へ行ってしまった。
今回の熱はいつもより、冷めるまでに時間がかかった。
* * *
大会から、数日後。
それは、突然の出来事だった。
ピコン
携帯の通知音が鳴る。
誰だろう……。
開くと、和人先輩からだった。
『次の日曜日、お出かけしに行かない?こないだのお礼も兼ねて。』
私の心の中は、というと……。
!?!?!?!?
言葉にならず、自分の目を疑っていた。
え……。
それってつまり……。
デート?!
少しでも期待して、浮かれる自分がいた。
……「行きたいです」って返しとこ……。
文字を打ち、送信ボタンを押す。
……何、着ていこっかな~。
この日は心が躍るように、ワクワクした1日になった。
* * *
そして、日曜日。
この日が来るのは、とっても早かった。
待ち合わせより、20分も早く来てしまった。
さすがに、早すぎだよね……。
そう思っている内に、先輩はすぐにやってきた。