【完】あなたに送る5文字の言葉



「そう?」



どうしたんだろう?


少し疑問に思ったけど、すぐに忘れてしまった。





*   *   *





それから数か月が経った。


もうすぐ夏が来る、とある日、私はお昼休みに拓馬くんに呼び出されていた。


お話って、なんだろう?


いろんなことを考えながら、屋上へ向かっていた。


階段を一番上まで上がり、屋上に続く扉を開ける。


扉を開けた先には、拓馬くんの姿があった。



「お待たせ。遅くなっちゃってごめんね」



もう少し早く来れたら、と申し訳なく思った。



「いえ。来ていただき、ありがとうございます」



いつにも増して、硬い口調で話す、拓馬くん。


もしかして、緊張してるのかな?


でも……なんで?


その理由は、すぐにわかった。



「……俺、雪花先輩のことが好きです!」


「……」



私は目をぱちくりさせて、拓馬くんを見ていた。


急すぎて、言葉を失う。


と同時に、和人先輩に告白した時のことがフラッシュバックする。


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