【完】あなたに送る5文字の言葉
「もー、ほんと偶然すぎだよ……」
そう言いながら、机にうなだれる。
「でも、もう吹っ切れてるんでしょ?」
「まぁ、それはね……」
さすがに、時間が経てば、諦めが付く。
「気にしてても、らちが明かないし、考えすぎない方がいいって」
「それは、わかってるんだけど……」
そうは言っても、やっぱり複雑……。
顔を窓の方に向けて、空を見上げる。
雲一つない、真っ青な空。
青々とした空を見ている内に、悩んでいたことが消えて、晴れていったような気がした。
「……今日も頑張ろっと……」
密かに、呟く。
「ん?なんか言った?」
「ううん、何も言ってないよ」
体を起こして、愛華に微笑みながら答える。
もう一度、先輩と会うことになるのは、もう少し後のお話ーー。
END