【完】あなたに送る5文字の言葉
「雪花ー!部長との練習、どうだった?」
愛華が、私に駆け寄ってきた。
今日は、部長から教わっていた。
「楽しかったし、学べたことたくさんあるよ」
私は、普通に答えたつもりだった。
「違う違う!私が聞いてるのは、和人先輩といい感じになったかどうかってことだよ!」
「いい感じって?」
愛華の言っている意味がよくわからない私に、愛華は「はぁー……」と大きくため息をつく。
「な、なによ……」
「雪花、和人先輩のこと、なんとも思わないの?」
「和人先輩のことは、尊敬してるし、憧れだなって思うよ?」
「あー、やっぱりだめか……」
「だめって?」
ますます、愛華の言っていることがわからない。
「雪花。この後、暇?」
急に、話題が変わった。
「暇だけど……」
「じゃあ、寄り道して、緊急会議よ!」
「き、緊急会議……?」
何がなんだかわからない私とは裏腹に、愛華はなぜか燃えていた。