【完】あなたに送る5文字の言葉
* * *
片付けが終わり、愛華と家の近所にあるカフェに来ていた。
「それで?雪花は、何も思わないわけ?」
注文した後、待ってました、と言わんばかりの勢いで、愛華が聞いてくる。
「何もって……何に対して??」
「も~。和人先輩のことに対してだよ!」
そういえば、そんな話してた。
電車に乗っている間、珍しく何も話さなかったから、すっかり忘れてたよ。
「和人先輩のことは、さっきも言ったけど、尊敬してるよ?」
「そうじゃなくて……あー!もう!それなら、直球で聞いてあげる!」
じゃあ、最初っからそうしてよ。
心の中で突っ込んだ次の瞬間、想像もしてなかった言葉が愛華の口から発せられた。
「和人先輩のこと、好きかどうかってことよ!」
「……え?」
……えええええー!?
「な……なんで、そんなこと聞くのよ!」
「なんで、そんなにテンパってるのよ」
いや、これは普通じゃいられないって……!