【完】あなたに送る5文字の言葉
「雪花、先輩のこと、好きなんでしょ?」
「へっ?!」
「あ、顔赤くなった」
愛華にそう言われた瞬間、頭がボンッ!と爆発したような気分にさらされた。
「そんな……好きとか思ってないよ……」
「嘘だぁー。雪花が気付いてないだけだって」
えええー……。
それだったら、自分で気付いてるって。
「さっき言ってたこと以外に、雪花が先輩に対して思うことってないの?」
「思うこと……」
少し下を見て、思考を巡らせる。
優しいし、かっこいいし、テニス上手いし、後輩のことすごく見ていて、だめなことはちゃんと言ってくれる素敵な先輩だし……。
そんな人の近くにいたら、多少なりでもドキドキしちゃう……。
どうやら、今思ったことが口から出ていたらしい。
「ほうほう……」
声が聞こえて、はっ!と顔をあげると、愛華がニヤニヤしながら私を見ていた。