【完】あなたに送る5文字の言葉
「な、なに……」
「やっぱり、先輩のこと見てるんじゃん。それを“好き”って言うんだよ」
「……これが?」
言われても、ピンッと来なかった。
てか、「やっぱり」ってなに。
私、無意識の内に、先輩のこと目で追いかけてたの……?
「まぁ、これで先輩への気持ちもわかったことだし、帰るとしますか」
「えっ、たったこれだけのために、カフェ寄ったの?!」
「そうだけど?」
そんな重大なことでもないような……。
そんな私の気持ちを知らないまま、そそくさと会計に向かう愛華を急いで追いかける。
カフェを出て、少し歩くと自分の家が見えてきた。
「明日が楽しみだね」
ご機嫌そうに、愛華はそう言う。
「どうして?」
少し話をしている間に、もう家に着いてしまった。
「なんでもなーい。こっちの話だよ」
「はぁ……?」と、少し困惑気味に相づちを打つ。
「じゃあ、また明日!またね!」
そう言って、愛華は行ってしまった。
今日はわからないことがたくさんありすぎた。