【短編】 洋介と仲間たち
あれは、昨年の夏。
俺は、野良猫だった…。
小さい頃に、飼い主に段ボールごと川に捨てられた。運よく浅瀬に乗り上げ命拾いしたが、俺は人間を恨んだよ。
かわいいとかいいながら、邪魔になるとゴミのように捨てる。
毎日、悔しくて泣いたよ。腹は減るし、生きるためには喧嘩をして強くなるしかなかった。
数年も経つと俺は町一番の暴れん坊になっていた。だれも逆らう奴はいない。
毎日、でかい顔で歩いていたよ。
ある日、よその町から、一匹の野良がやって来た。そして、俺の縄張りを荒らしやがった。
俺は、その野良を町から追い出すために闘った。
ロナウド
「おい、野良。ここから出て行け。さもないと痛い目にあわせてやる」
野良
「お前こそ、野良じゃないか。今日から、この町のボスは俺だ!」
ロナウド
「わかった。容赦はしないからな!」
それから、二匹の猫は夜通し闘った。
朝日が昇っても闘いは続き、いつの間にか路地裏から広い道路に出ていた。
そこは、車の往来が多く、闘いの最中に俺も野良もダンプに跳ねらた。野良は即死、俺は息はあったが全身を強く打ち動けなかった。
そこに、洋介がやって来て俺を動物病院に連れて行ってくれたんだ。
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