【短編】 洋介と仲間たち
光玉の中は、どこか懐かしい風景だった。そこは家の裏にある野原で、樹齢千年は経っているだろう大きな桜の木が満開に咲いていました。
お父さん(五年前)
「洋介!サッカーやろうか!」
幼い洋介(四歳)
「うん、やるよ。サッカーやる!僕ちゃんと蹴れようになったよ。見てて!」
お父さん(五年前)
「おぉー上手くなったじゃないか」
幼い洋介(四歳)
「今度は、あの桜の木にあてるね」
お父さん(五年前)
「ん…洋介ちょっと待ちなさい!」
幼い洋介(四歳)
「どうしたの?」
お父さん(五年前)
「僕は、どこの子?こっちに来てサッカーやらないか」
桜の木陰から見ていた僕をお父さんが見つけたのです。
洋介
「おと…さ……ん(小声)。いえ…あの…遠い所から来ました」
洋介はお父さんに抱き着きたかった。(涙)「僕だよお父さんと言いたかった」でも、言えなかった。ここに僕の存在があってはいけないと感じていたからだ。
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