1日だけの恋~10月25日夜完結~
「なぜって……あの怒らないでほしいんですが」
「ええ」
「どうせ頼むなら……素敵な方がいいし、あなたの顔が…その……タイプで」
少し目を大きく見開いた男。
すぐに柔らかな笑顔になった。
「ぷっ!僕って、きみのタイプなんだ?」
「すいません。勝手に」
「いいえ、光栄ですよ。女性にタイプだと言われて嬉しくない男はいないと思います」
「はぁ」
「じゃあ……」
セーターの男は感心したように頷いて、腕をまくった。
それから、セーターの男は掌をおいでおいでというように動かし私を呼んだ。私がテーブルの上に身を乗り出してきたところで、男も身を乗り出し私の方へ顔をヌッと近づける。
セーターの男と思いがけないほどに顔が近づいたことで怯んでしまい顔をポッと赤らめていた。