恋の花を咲かせた3月の涙。
prologue
誰だって、1度はこの世界が嫌いになることがある。


テスト追われる世界。

頑張っても報われない世界。

自分以外が笑っている世界。

生まれた瞬間から死に向かって時計を進める私たちは、親も環境も選べない。


そもそも、産んで欲しいなんて頼んでいない。



3月なんて大嫌いだ。


親の死を知ったあの日も、

仲の良かった友達に裏切られたあの日も、


辛くて苦しい、忘れたいけれど忘れられない思い出は全て桜の咲き始めた3月の出来事だった。


3月が来る度に私は私ではなくなり、

この世界を壊してしまいたいと思っていた。
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