恋の花を咲かせた3月の涙。
校舎をでて駅に着くと、あと少しで電車が到着することを知らせるアナウンスが流れていた。


電車が到着し乗り込む。



乗客は数人で、朝とは比べ物にならないほど空いていた。


空いている電車は楽だ。


椅子に座れるだけでなく、乗客同士の距離が遠くなるため変に気を使わなくて済む。


学校ってこんなに疲れるものだっけ?


なんだか1週間分の疲れを1日で味わった気分。



そう言えば、クラスに見覚えのある人がいた。


あの人は私と中学が一緒だった男子。


家も近く、幼稚園の頃から仲良くしていた私たちは学校でもメッセージアプリでも結構話していた。


けれど、高校生になってからはほとんど話さなくなった。


お互いの時間の使い方も違うし、高校生になって少しだけ性格も変わった。


話かけないで欲しいな。


嫌でも学校の事を考えてしまうので、それを防ぐためにスマホの音楽アプリを起動しイヤホン越しに音楽を聴く。


ワイヤレスイヤホンを使いたいけれど無くしそうだし、充電を気にするのがめんどくさい。


前からはまっているアーティストの曲を聴きながら向かいの窓から見えるピントの外れた景色をただ見つめながら、最寄り駅に着くのを待つのを待った。
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