恋の花を咲かせた3月の涙。
❀❀❀
「おはよう、ひよりちゃん」
「おはよう」
朝から緊張しながら教室に入ると和花ちゃんが挨拶してくれた。
「そうだ! 昨日メッセージアプリのアカウント交換するの忘れてたから今から交換しよ?」
「うん」
QRコードを読み取り、追加完了。
ほとんど使っていないこのアプリに友達を追加したのは久しぶり。
「後でさっちゃんとちぃちゃんの送るね。あっ、このクラスのグループもね」
「ありがとう」
筆箱とファイルを取りだし、鞄は机の横にかけた。
今日はテストだけ。テスト3時間乗り越えれば帰れる……と思ったけれど昨日の会話を思い出した。
放課後学校案内してくれるんだった。
流石に何時間も案内しないだろうし、昨日も部活って言ってたから今日もきっと部活のはず。
先生の貰った対策プリントを見ながら時間を過ぎるのを待った。
「みんなおっはよー!」
「彩夏、朝からうるさい」
「莉子だってうるさいじゃん」
大きな声で入ってきたのは、昨日悪口を言っていた2人。一瞬で教室の空気が重くなる。
「あっ、いたいた!」
そう言いながら私の所に向かってくる2人。
「私は彩夏で」
「私は莉子。よろしくね、ひよりちゃん」
「よろしくお願いします」
「敬語とかウケるわ」
「莉子、いじめてはかわいそうだよ?」
「そうだね。私、先に戻ってわ」
自分の席に戻った莉子さんはこっちを睨んでいる。
「早速だけど峰原には近づくなよ。あいつに関わると不幸なことしか起こんねーから」
「不幸なこと……?」
「そう、不幸なこと」
にやりと笑う彩夏さんが怖くてしょうがない。
助けてほしいけれど誰も目を合わせてくれない。
「あいつ、私たちの友達殺したんだよね。ひよりちゃんだってそんな人と同じ教室に居たくないよね?」
私には関係ないことだから『いいえ』と答えたい。けれど答えたら標的になる。
「みんなもそうだよね?」
私たちの会話を聞いていたのか莉子さんがクラスのみんなに話を振ると、「居たくないに決まってる」と口をそろえた。
「だって。私も彩夏もこのクラスもみんな同じ意見だから空気読んでね」
私はきっと警告されている。
この空気を壊してはいけない。
この空気を壊してしまったら次はお前だと言われているようなもの。
チャイムが鳴り、彩夏さんは自分の席へと戻って行った。
「おはよう、ひよりちゃん」
「おはよう」
朝から緊張しながら教室に入ると和花ちゃんが挨拶してくれた。
「そうだ! 昨日メッセージアプリのアカウント交換するの忘れてたから今から交換しよ?」
「うん」
QRコードを読み取り、追加完了。
ほとんど使っていないこのアプリに友達を追加したのは久しぶり。
「後でさっちゃんとちぃちゃんの送るね。あっ、このクラスのグループもね」
「ありがとう」
筆箱とファイルを取りだし、鞄は机の横にかけた。
今日はテストだけ。テスト3時間乗り越えれば帰れる……と思ったけれど昨日の会話を思い出した。
放課後学校案内してくれるんだった。
流石に何時間も案内しないだろうし、昨日も部活って言ってたから今日もきっと部活のはず。
先生の貰った対策プリントを見ながら時間を過ぎるのを待った。
「みんなおっはよー!」
「彩夏、朝からうるさい」
「莉子だってうるさいじゃん」
大きな声で入ってきたのは、昨日悪口を言っていた2人。一瞬で教室の空気が重くなる。
「あっ、いたいた!」
そう言いながら私の所に向かってくる2人。
「私は彩夏で」
「私は莉子。よろしくね、ひよりちゃん」
「よろしくお願いします」
「敬語とかウケるわ」
「莉子、いじめてはかわいそうだよ?」
「そうだね。私、先に戻ってわ」
自分の席に戻った莉子さんはこっちを睨んでいる。
「早速だけど峰原には近づくなよ。あいつに関わると不幸なことしか起こんねーから」
「不幸なこと……?」
「そう、不幸なこと」
にやりと笑う彩夏さんが怖くてしょうがない。
助けてほしいけれど誰も目を合わせてくれない。
「あいつ、私たちの友達殺したんだよね。ひよりちゃんだってそんな人と同じ教室に居たくないよね?」
私には関係ないことだから『いいえ』と答えたい。けれど答えたら標的になる。
「みんなもそうだよね?」
私たちの会話を聞いていたのか莉子さんがクラスのみんなに話を振ると、「居たくないに決まってる」と口をそろえた。
「だって。私も彩夏もこのクラスもみんな同じ意見だから空気読んでね」
私はきっと警告されている。
この空気を壊してはいけない。
この空気を壊してしまったら次はお前だと言われているようなもの。
チャイムが鳴り、彩夏さんは自分の席へと戻って行った。