人間を好きになった、魔王の娘
学校についてから、夢ちゃんに連れてこられたのは
”理事長室”と書かれた場所
「何で、ここ?」
「入ればわかるから」
入ればわかる、から?
「失礼します」
そう言って普通に入っていった夢ちゃん
「お前も入れ」
へ?
「奈未も、入ってきなよ。大丈夫
直ぐだよ?」
すぐ?
理事長室に入ると、見覚えのある顔が
あれ?どこだっけ?
「麗奈?」
お母様を知っているの?
「桜木麗奈か?」
「ごめんなさい。母ではないんです」
「お前は、娘だったか」
「はい」
「なら、こちらでは桜木の名字を名乗るのだろう?」
桜木って・・・
「なんだ。知らないのか?」
向こうの世界には、そんなのは、なかった。
「お前の父君は、”白井”と名乗ったがな」
白井・・・?
「おじさん。奈未は分かってないけど?」
「悪いな」