人間を好きになった、魔王の娘
「え?」
「俺は、麗奈の兄の1人だ」
お母様の、お兄様・・・?
「おじ・・・様?」
「そうだな。何かあればここに来ればいい」
「へ?」
「大丈夫だ。お前は桜木の姓でこの学園に通ってもらう。
クラスは、夢と同じクラスだ。安心していい」
夢ちゃんと同じクラス?
「まぁ、こうしてると麗奈がそのまま戻って来たみたいだな」
お母様が、戻ってきた感じ?
そんなにお母様にあたしは似ているの?
「頑張って来い。夢。頼んだぞ?」
「はーい」
そう言って理事長室を出てきたあたしと夢ちゃん
「一緒のクラスなんだねー」
「そうみたいだね?」
でも、あたしは、この学園でやっていけるのだろうか?
いつ、魔王城からの使いが来るか分からない・・・
お父様はあたしを逃がすはずがない
あたしは、あの城での”駒”だ
次の魔王は、アイツだと決まっているのに
それでも狙って来ようとするものは多い
「奈未?」
「え?」
「ここだよ。あたしのクラス」
1-1Aと書かれているプレートの前で止まった
あたしたちは、何事もないように開けては言った夢ちゃんの後に次いで入った
「夢ー。その後ろのこだぁれー?」