人間を好きになった、魔王の娘

「悠翔。昨日言ってた奈未ってこの子の事だったのか」

「あぁ。しかし、桜木の姓を名乗るとは思わなかったがな」

どういう・・・

「父親の姓なんて、知らないもの」

「なるほどな。それで、桜木を名乗ったか」

「そういう事」

「で?悠翔と、この子の関係は」

「幼馴染だ」

「へぇ。幼馴染・・・
ってえぇ!?」

やっぱ、その反応なんだね
でも、婚約者とは言ってはくれない・・・

こんなので1年やっていけるかな

「俺、奈未ちゃんみたいな子タイプかも」

「お前には、茜がいるだろ」

アカネ?

「彼女とタイプはちげーって」

彼女・・・か。
悠翔君にもきっといるんだろう。
そういう(彼女)存在の人が

「奈未?」

「何でもない」

屋上を出て、教室に戻ったあたし

「奈未!どこに行って・・・」

「夢ちゃんには、言う必要ないよね?
あたしがどこに行っても」

「!?」
「な、あんた!夢の幼馴染だからって」

「関係あんの?」

ここで、魔力を使って問題を起こせば
否応なしに魔界に連れていかれるだろう。

「おー。転入生!」

!?
何で、同じ魔力の気配を感じるの!?
人間界にあたしと同じように来た奴がいるとでも言うの!?

「天笠じゃん!」

アマガサ?

「俺は、お前らじゃなくて、コイツに用があんの」

ぐいっと引っ張った男・・・
上を見上げれば

「何で?」

「お前に用があると言っただろう?」

最悪・・・
1年も待つ気ないんじゃん

「じゃ、ちょっとこいつ借りてくから。
次の授業2時間自習な」

よっしゃあ!とクラスの声が一回り大きくなったのは気のせいだろうか?

空き教室に入って、魔力で時空間を作ったこの男

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