人間を好きになった、魔王の娘
いつものスーパーに買い物行くと
スーパーの中には見覚えのある顔がある
そう、悠翔君と知らない女の人だ。
悠翔君はきっと、あの人と付き合っているのだろう。
あんなきれいな人にあたしが適うはずがない
結局何も買わないでスーパーを出てきたあたし。
「奈未?」
「おじ様・・・」
スーパーの入り口で出くわしたのは
学園の理事長であるおじ様
「どうした」
「おじ様。あたし、家に帰ることにしました。
もう、あの学園に行くことはないです」
「何、言って・・・」
「もう、耐えきれないんです。
どこにいても1人なら、家に帰って婚約して
結婚して。子供を産んで」
「奈未は、それで幸せなのか?」
「婚約してからでも、好きになって見せます」
「そうか。分かった」
それだけ言うとおじ様はスーパーの中へ
あたしは外へ出た
家に帰ってもどうせ1人だ
悠翔君が来ない場所から思い出を消していけばいい