人間を好きになった、魔王の娘
翌日になると、お母様と魔導士2人。
そしてなぜかお父様まで一緒に家に来た
「何で、お父様まで」
「来てはいけないのか」
そうは、言っていないけど・・・
「まさか、来るとは思わなかったから」
「ふふっ」
「お母様?」
「違うわよ。奈未に会いたくてしょうがなかったのよ」
へ?
「4年前、奈未がここに残ると決めた時
魔王城で不貞腐れてたのよ」
そうなの?
「だからこそ、私を呼んだから一緒に会いに来ちゃったのよ。
まぁ、それは建前で、本当は奈未と孫の顔を見たかったのが本音なのよ」
そうなの?
「奈未は、こっちで生活をするから、なかなか帰ってこないでしょう?
そうしたら、孫の顔なんていつ見れるか分からないもの」
「そっか」
「で?悠翔君は?」
「悠翔?仕事だよ?」
「そう。悠翔君の顔を見たかったわ」
なっ
「ただいま」
「おかえりなさいっ」
悠翔のそばに行くと、優しく微笑んでくれる悠翔が今でも好き
「ご無沙汰しています。急に呼んでしまって申し訳ありません」
「いいのよ?奈未からのお願いだなんて、そうそう聞けないし
初めての出産なんて、怖いに決まっているもの」
「お母様」
「凌は、今日中に帰るのだから、私もゆっくりできるわ」
え?
「母さんも喜ぶと思うんで、顔を見せてやってください」
「そうね」