人間を好きになった、魔王の娘

数週間後

「・・・ったい」

「奈未?」

朝起きると、腹部に激痛が走った
衝撃で目が覚めた。
それも、まだ暗い明朝の時間帯だ

「大丈夫か?」

「どうしたの?」

「おかあ・・・さま・・・」

「産まれるのね」

え・・・?

「奥様。旦那様も一度離れてくだされ」

「だ、だがっ」

「大丈夫ですよ。奈未様の安全は保障いたします。
そして、お子様も安全に産まれますぞ」

そう言って床に現れた魔法陣の中には
あたしと、魔導士3人。

「~~~~~~。~~~~~~~!」

訳の分からない、言葉を話している魔導士

「奈未様。もう、産まれますぞ!」

その瞬間だった

あたしの体から引き離された我が子たち

「ふた・・・ご?」

「奈未様。よくぞ頑張ってくださった」

産まれた瞬間
子供たちを抱き上げてくれた悠翔

「よく頑張ってくれた。ありがとう。奈未」

「あたしも・・・」
ありがとう

「奈未?」

少しだけ、寝たいの・・・

「大丈夫ですよ。麗奈様もこうでしたから」

「え?」

「奈未様の魔力が消耗したのです。
寝れば回復いたします」

「そんなもんなんだ」
< 42 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop