人間を好きになった、魔王の娘
「でも、父もそれと同じくらいの年なので」
「あら。そうだったの」
「はい」
「行くぞ」
へ?
「そうね。いつでも来れるなら、いつでもいらっしゃい。
麗奈の部屋はそのままにしてあるわ」
お母様の部屋?
「行けば分かるわ。これがカギよ」
そう言って渡してくれた鍵というもの
悠翔と一緒に家に来たけど、どう開けていいのか分からなくて
翳(かざ)してみたり当ててみたりしたけど、開く気配がなくて
「お前、鍵の開け方も知らねぇのかよ」
そう言ってあたしの持っていたカギを取り
ドアに差し込んで開けてくれた
「お前も覚えておけよ」
え?
「俺がいない間、ここにいるつもりか」
「そうだけど」
「マジかよ」
他に行く場所なんてないもの
「明日からは俺がいない間は俺の家に居ろ」
俺の家・・・?
「隣の・・・?」
「他にどこがあるんだよ」
そっか