人間を好きになった、魔王の娘

「じゃ、俺は出かけてくるから。
飯はテキトーに食べておけ」


飯・・・?

「ご飯の事?」

「あ?他に何があるんだよ」

そうだけど・・・

「じゃあな」

そう言って、出て行った悠翔
如何したら良いか分からなくて
とりあえず、お母様の部屋を見に行くことに

「どこがお母様の部屋だったんだろう?」

1つずつ、部屋を開けていくと、ちょうどあたしと同じくらいの年だった
お母様と

「この人たちは、一体・・・」

誰なんだろう?
でも、嫌な感じは全くしない
寧ろ懐かしさを感じる

「奈未ちゃん・・・?」

「おば様。お母様と一緒に居るのは」

「麗奈の両親と兄弟よ」

お母様にも姉弟がいたの?

「麗奈の両親は、もうすでに他界しているけどね
兄弟はちゃんといるわよ。この地でなく、別の場所へ引っ越してしまったけど」

じゃあ、この土地は・・・

「この家の土地は。麗奈の名義になっているわ」

え・・・?

「物騒だから売ると言っていたのだけれど
ちゃんと、取っておいて良かったわ。
こうして、麗奈の娘が帰ってきてくれた。
私はそれで満足だわ」

そうだったんだ・・・
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