人間を好きになった、魔王の娘

「ところで悠翔は?」

「出かけてくるって」

「出かけて行ったのね」

「はい」

「なら、家へいらっしゃい」

え?

「食事にしましょ。それにお風呂も入った方がいいわ」

そっか。そうだよね・・・

あの世界でお母様が教えてくれたことは
こっちの世界での生活リズムなのかもしれない

「でも・・・」

「いいのよ。旦那だって、反対なんてしないわ」

おじ様・・・?

「それに、明日は奈未ちゃんの物をそろえに行かなくちゃ」

「そ、そんなっ悪いですっ」

「いいのよ」

だってっ

「奈未ちゃんの洋服くらい選ばせてよ。
悠翔の好きな好みの服くらい分かってるんだから」

はい?

「それを悠翔に見せて付けてやりましょ?」

「いいんですか?」

「もちろん」

「ありがとうございます」

なんか、すごく楽しんでそうだけど
どうせ、あたしになんて見向きなんてしてくれないんだろうけど・・・
< 9 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop