幼なじみのイケメン三兄弟に愛され……そして彼に恋をする



 胸の鼓動が。
 激しく高鳴った。


 私の顔と太鳳くんの顔の距離が。
 少しでも動いただけで。
 触れ合いそうに……。

 太鳳くんの美し過ぎる顔。
 はっきりと見える。

 私の瞳と太鳳くんの瞳が。
 引き合うように見つめ合っている。

 さらに高鳴る胸の鼓動。


 どうしよう。

 まずい。
 このままでは。

 だから。
 早く。
 離れなくては。
 太鳳くんから。

 そう思っているのに。
 身体が動かない。

 極度の緊張で。
 身体が固まってしまっている。

 心の中では。
 緊張とパニックで忙し過ぎるくらいバタバタと走り回っている。

 それなのに。
 どうして身体は思うように動いてくれないのっ。



「……まずい……」


 そんなとき。
 太鳳くんが口を開いた。

 のだけど……。


「このままでは……」


 太鳳くんが……。


「……彩音のことを……」


 熱を含んだ瞳で。
 頬から耳。
 そして。
 髪を撫で……。


 ドキッ……。


 太鳳くんに触れられて……。

 止まらない。
 ドキドキが……。


 太鳳くんの顔が。
 より近付き……。

 唇と唇が。
 触れ合うまで。
 あと、わずか……。


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