幼なじみのイケメン三兄弟に愛され……そして彼に恋をする



「なっ……南風、
 なにもあんな言い方しなくても」


 それに……。
『俺の女』って……。


「それにしても、
 なんで私がここにいることわかったの?」


「昼休みになったとたん彩音が教室を出ていくところを見かけて。
 いつもなら、すぐに友達と弁当を食べるはずなのに。
 パン購買かとも思ったんだけど、方向が違うから」


 確かに。
 南風の言う通り。
 私は昼休みになったら、すぐに友達と一緒に弁当を食べている。


「だから、
 あとを追った」


「追ったって……」


 一体何のために。


「そうしたら……
 彩音が……告られていた……から……」


 だからといって。
 若村くんに私のことを『俺の女』と言うのは。
 それは、かなりおかしくない?

 まったく。
 南風は。
 どういうつもりで、そんなことを言ったのか。

 私のあとを追ってきてまで言うことなのか。

 それに。
 私と南風は。
 幼なじみで……恋人……ではないのだから。

 昼休みになって、どういう行動をしようが南風には関係ないのでは……?



 昼休みになって、すぐに教室を出たのは。

 今日の朝、下駄箱の中に四つ折りにされた紙が入っていて。

 その紙を開いて見たら。
【昼休み、体育館裏に来てください。
 お話したいことがあります。若村真郷】
 そう書かれていた、から。


 若村くんは一年生のとき同じクラスだった。
 知らない人ではないので会いに行くことに迷いはなかった。

 ただ。
 まさか想いを告げられるとは思わなかった。



「……もう無理」


 ……?


< 3 / 36 >

この作品をシェア

pagetop