俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

「店、予約できなかったんですか?融通の利かない店ですね。お父さまに言っておかなきゃ。」

「はっ?あのな、君はまず自分のミスを謝罪し反省すべきだろう。」

「謝罪?店の予約が取れなかったから?」


本気でこのお嬢様は言っているのか?


「予約が取れなかったのは君が仕事を怠ったからだろ。」


何かまだ言いかけた仁見さんだったが視界に入るだけで虫唾がはしるので美月達の方に向き仁見さんに背を向けた。


「どう?予約取れたか?」

「はい。荒木さんが教えて下さった店で予約取れました。それと昼から長田部長が花桜さんへお詫びに行って下さるそうです。」

「そうか。長田部長に俺からも連絡を入れとくよ。折原さんありがとう。」


冷静に判断し対応をしてくれた美月を本当なら思いっきり抱きしめ褒めてやりたい。
あー、出来ないことがもどかしい。



美月の迅速な対応のおかげで今日の接待も無事終わり、今後の取引も懸念された花桜さんだったが秘書部長自ら直ぐに謝罪に出向いた事もあり事なきをえた。

そして仁見さんがアルクフードの名前を出し、あの態度を取った事でアルクフードからの予約を全て花桜が受付けなくなったと知ったのは、その後数週間後だった。




< 110 / 167 >

この作品をシェア

pagetop