俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
「祐世さん、折原さんとは結婚を考えていますか?」
「えっ、もちろん、彼女以外考えられませんけど。それが?」
倉橋さんの提案はこうだ。
俺の結婚に関して親でもない叔父が勝手に決める事は出来ない。
だから外堀を完全に埋められる前に俺と美月との婚約を発表すると言う事。
「正月、実家に帰った時に両家の承諾を得られれば、もちろん折原さん本人の気持ちが最優先ですが・・・。そうなれば年明けの新年会に折原さんを伴って行って婚約者と発表されては?」
「結婚するのはいくらなんでも早すぎるような。俺は今すぐにでもって思ってますけど。今の中途半端な立場じゃあ・・・。」
「そうですね。社長の反感を買えば社長就任の話は無くなる。最悪、有知を去る事になるかもしれないですね。その覚悟があるのならですが。」
倉橋さんの言いようから推測すれば、叔父とアルク社長に半分ほど外堀を埋められているのであろう。本来なら今週のパーティーで世間に発表するつもりだった。しかし俺が断ったことで一度は引いたように見せかけ年明けに持ち越したのか。
俺の意志とは関係なくても一度世間が思い込めば、俺が美月との人生を選んだとしても俺への信頼が無くなるだけって事か。
「週末のパーティーまでにはムリですが美月と話をしてみます。またお力を貸していただけますか?」
「もちろんです。今の社長は危うい。以前の社長に戻って頂くためにも私で良ければいくらでもお力をお貸ししますよ。」