俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
家のドアを開けると中からテレビの音がする。
いつもならドアの空く音で玄関まで迎えに出てくれる美月が出て来ない。

中に入ると美月はソファーで寝ていた。
小さく丸まるように寝ている美月、可愛い、可愛すぎる。
頬にキスをすると、ゆっくりと目をあけた。




食事も風呂も済ませ落ち着いたところで話を切り出した。


「美月、結婚しよ?」


俺の突然のプロポーズに美月は頭が付いてこないのか固まってしまった。


「ごめん。急に言われても困るよな。ちゃんと説明するから聞いてくれる?」


まだ何も言葉を発しないが頷く美月。
それからゆっくりと倉橋さんとの話、今日のパーティーで言われた事を説明した。


「美月と結婚したい、しようと思ったのはずっと前から。付き合いだして直ぐくらいから俺が働きだして何年かしたらって思ってた。ホントはちゃんと時が来た時にmoment de joieでプロポーズする予定だったんだよ・・・。」


はあ、とため息を付くとクスクスと目の前にいる美月が笑っていた。


「笑い事じゃないんだけどなー。俺の計画が・・・。美月、俺との結婚いや?」

「ううん。ありがと、嬉しい。祐世は本当に私でいいの?会社的にとか、その・・・、いろいろと無いの?」

「ああ、大丈夫。会社の為に俺の人生、結婚を犠牲にする気はない。もしそれで社長がダメだって言う時は有知を辞めるつもりなんだ。それでも美月は俺について来てくれる?美月の事を明かす以上、美月も有知を辞めなきゃいけなくなるかもしれないけど。」


ちゃんと無職になる可能性まで話をしたが、それでも美月は『よろしくお願いします。』と言ってくれた。

美月の答えが決まればあとする事は・・・。

年明けの新年会で婚約者と紹介できるように一度も行ったことのない美月の家に行かないとな。


「急で悪いけど、正月休みに地元へ戻った時に美月の家に挨拶に行きたいんだ。ご両親に都合聞いてもらえるかな?」

「わかった。祐世のご両親に私もご挨拶に行っていいかな。」

「もちろん。俺の方は美月と付き合ってることも知ってるから大歓迎されるよ。はあー、今から緊張する。『お前みたいなやつに娘はやらん!』とか言われるかなー。」




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