俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side34


「それなら婚約と言わず籍を入れちゃったら?」


急に挨拶に来たいと言い出した経緯を説明すると、母は軽く結婚しちゃえと言い出した。横で父はギョッとしている。

わかるよ、お父さん。でもね、お母さんってそう言う人だよね・・・。


「えーと、それはもしも籍を入れたいと祐世も言えば入れてもいいと?」


一応、母ではなく父の方を見て聞いてみた。


「・・・・・、まあな。遅かれ早かれ結婚するのなら籍を今入れようが後になろうが一緒だからな。・・・、お前たち二人が合意したなら父さんも母さんも反対はせんよ。」

「ありがとう。」






少し時間は早かったが待ち合わせ場所に向かった。
早めに祐世が到着すると車を止めて待つのは困難そうだから。
まだ約束の時間より三十分ほど前なのに、祐世の車がロータリーに入って来るのが見えた。

ほら、やっぱりね。

乗り込み宿に向けて出発すると、さっそく祐世が家での話を教えてくれた。たまたま東京に仕事で行ったお兄さんの耳にまで仁見さんとの話が入ったと聞いて驚いた。

そんなに話が広まっているのに仁見さんとの事を回避できるのだろうか。
不安で胸が苦しくなる。

そんな私の様子が分かったのかギュッと手を握ってくれる祐世。


「大丈夫。何も心配する事はないから。」


『でも』と言いかけた私の言葉を遮り祐世は話を続けた。


「兄さんの話を聞いて思ったことがあるんだ。話を聞いたという人は俺が知っている限り全員アルク社長から聞いたって言ってるんだよね。叔父さんもこの話に乗り気なのはそうなんだろうけど、俺の了承なしに勝手に話を広げていない。まあ倉橋さんからもアルクとの関係性について言われてることもあるだろうけど。」


だから俺が仁見さんと婚約してないとか、ずっと前から付き合っている彼女がいるって言っても自分に何の不利益も生じないと言う。

祐世がそう言うなら大丈夫なのだろう。




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