俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
翌日から同じ学校に会いたかった彼女がいると言うのに会えに行けない苦行のような日が続いた。

あと一日・・・。

俺には辛い数日だったが我慢したおかげで彼女の周りは三日ほどで元の静けさが戻った。
良かった、彼女に何もないまま落ち着いてくれて。
これで来週には美月と話をする事ができる。



待ちに待った日がやっと来た。俺は一時半には大翔の家に着いた。
『お前、早すぎ。』と大翔にも言われたが家で一人いるのも落ち着かなくて早いとわかりながら来てしまった。


「まあいいや。ちょっとお前に聞きたかったんだけど。」


大翔がまじめな顔になった。


「お前、美月ちゃんと今日会ってどうすんの?彼女になって下さいって言うつもり?」

「はあ?そりゃ、探しまくってやっと会えた相手だぞ、付き合って下さいって言うだろ。」

「まあ、そうだろうな。普通は・・・。」


普通って何だよ。

俺が言っちゃ悪いのかよ。

そんなふうに俺が不機嫌な顔になったのを見て、大翔が次に言った言葉に何も返せなかった。


「怒るなよ。でも今、美月ちゃんに告ったとしても振られるだけだぞ。考えてみろよ、お前が美月ちゃんに少し声かけただけで先週のような騒ぎになるんだぞ。たった一日お前が付きまとっただけであれだ、もし付き合うとなると・・・。それをわかってるのにOKなんて絶対しないだろ。今日だって本来ならどこかのカフェとかでもよかったんだ。でも『私たちがいくら一緒にいたからって誰かに見られたら絶対にまた美月に被害がでる』って七菜が言うから俺んちになったくらいだぞ?」


それはダメだ。美月に危険が及ぶのは。

でも、じゃあどうすればいいんだよ。

まだ全然話もしたことも無い彼女だけど、俺の本能が初めて求めた人に会えたのに、会う事はおろか話も出来ないのかよ。



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