俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

祐世side36

大晦日に実家に戻ってきたが予想通りすることも無くヒマだ。
十二時を過ぎ美月へメッセージを送る。

【明けましておめでとう。明日、ちょっとだけ出て来れない?一緒に初詣行かない?】

既読は直ぐに付いたが返事がなかなか来ない。
ネットが繋がりにくいのか?電話をかけようかと思った頃やっと返事が返ってきた。

【明けましておめでとうございます。夕飯までには帰るように言われたけど日中は用事もないから出かけてもOKだって。】

そっか、出かけてもいいか聞いてたのか。
美月も独身最後の正月だ。
来年からは正月帰省するってなっても俺も一緒に行くことになるから家族五人で迎える最後だもんな、すっかりその事が頭から抜け落ちてたわ。

でも初詣は一緒にいきたいし。

【じゃあ十時に春木神社前で待ち合わせな。】

【わかった。おやすみなさい。】

十時に十分も前に待ち合わせ場所に着いた。
美月と付き合うようになってから待ち合わせの時間より早く行くことが癖になっている。

理由は・・・

俺を一人で待つ美月に言い寄るヤツがいたらムカつくから。

俺が着いて五分もしないうちに美月もやって来た。
人込みで離れてしまわないように手を繋ぎお参りを済ませ屋台で買い込んだ物をイチャつきながらと味わっていると『キャーッ』って声が聞こえたかと思ったら『祐世先輩、帰って来てたんですか?』って声をかけてきた奴等がいた。

チッ

せっかく美月との幸せをかみしめていたのに誰だよと声の主を見ると、高校時代にしつこかった俺の追っかけの三人組。横に美月がいるにも関わらず『一緒に屋台まわりましょ。』って、どんな神経してんだよ。


「悪いけど奥さんと一緒だから君たち邪魔しないで。」


うーん、初めて『奥さん』って言ってみたけど、いいな!
これからは美月の事を言う時は『俺の奥さん』『うちの妻』って絶対に言おう。
そんな事を考えながら美月とイチャイチャしてるのに全く離れる気配がない。


「でっ、君たちはいつまで俺たちの前に居座る気?さっさと散ってくれる?」


ビックと体を跳ね上げやっと離れて行った彼女たちを見て『いいの?』って。美月だっていつもと違う態度だったじゃんと言うと、


「はは、仁見さんの件以来、ちょっと嫉妬?独占欲が深くなったのかも。ちょっとイラっとしたのよね。」


マジか!美月が嫉妬!

しかもそれを隠さずに伝えてくれるなんて!今日は最高の日だ!神様ありがとう。





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