俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side37

顔合わせを済ませた翌三日、午後から役所に婚姻届けを提出するため午前中に実家を出た。
駅で祐世と待ち合わせ電車に乗り祐世の自宅に一度荷物を置いてから婚姻届を出しに役所に向かった。

まだお正月休みの為窓口は開いていない。
夜間休日受付に書類を提出し『おめでとうございます。』とお祝いの言葉を頂き婚姻届けは無事に受理された。

今日から私も【神崎】になった。

帰りにお惣菜とワインを買い二人で結婚を祝った。



四日、私達一般職員はもう一日仕事はお休みだ。
役員たちは午前中参拝をする事になっている。祐世も今の役職は一般職員と一緒だが後継者として戸塚さんと共に参拝に同行しなければいけないらしい。


「じゃあ行ってくる。」

「行ってらっしゃい。」


今まで休日出勤をする祐世を見送るために言っていた言葉も夫婦となって言ってみると何だか恥ずかしく思えた。


「顔赤いよ?熱でもある?今日のパーティー欠席した方がいいかな。」

「体調は大丈夫!だからパーティーにも出るよ。夫婦として、妻としての初めてのお仕事だもん。」


そう、今日は取引先など多く集まる新年のパーティーがある。
そこに妻として出席する事になっている。


「そう?じゃあ着飾った美月を迎えに行くの楽しみにしてる。祈祷中は電話に出れないけど、それ以外は出れるから何かあったら電話してくるんだぞ。無理はするなよ。」

「わかった。」


祐世が出て行ったあと掃除と洗濯を終わらせ一度家に戻った。
実家に持って行っていた荷物の片付けなどをしているとあっという間に時間は過ぎ既に十二時を回っている。

お昼を早く食べて行かないと。
今晩も祐世の家に泊まるため仕事用の服を彼の家に置いてから出かけないといけない。


今までパーティーなんて出席したことがない私。
もちろんドレスなんて持ってない。
どうしようかと悩んでいたら社長秘書の倉橋さんがヘアメイクもドレスも準備をしてくれた。だから私は指定されたサロンに二時に行けばいいだけなのだが、


「ん-、でもその場所まで何を着て行こう。さすがにジーンズはダメだよね。パーティードレスを扱う所なんだから。」


そう、指定された場所はどう見てもお手頃価格の物が売っているような立地じゃない。一流ブランドが立ち並ぶエリア。一人ブツブツと言いながらクローゼットを眺める。


「よし、このワンピースならいいかな?」


手に取ったのは紺色のワンピース。
色は大人しいが少し華やかな席にでも着て行けるからと社会人になり秘書課に配属されて購入した物。一般庶民の私には清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ったもの。

しかしパーティーは六時半からで祐世がサロンに迎えに来るのが六時、四時間もかかるの?と不思議に思いながら急いで家を出た。






< 154 / 167 >

この作品をシェア

pagetop