俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
六時少し前に美月が準備をしているサロンに着いた。
『奥様の準備も間もなく終わりますのでこちらでお待ちください。』とロビーのソファーで待つ事になった。

美月は何色のドレスを選んだのだろう。

美月の事だから自分で選べずスタッフに一番を選んでもらったかな?美月のドレス姿を思い浮かべながら待つこと数分。『お待たせ。』アイスグレーのドレスに髪をアップにセットされた美月が目の前に現れた。
言葉をかける事も忘れ彼女に見入っている俺に『へん?似合ってない?』と心配そうな顔をしている。


「よく似合ってる。」

「ありがと。」

「では、奥さん行こうか。」


自分で『奥さん』と言っておきながら少し照れる。たぶん少し顔も赤いだろう。美月をエスコートしサロンを出て待たせておいたタクシーに乗りパーティー会場のホテルへ向かった。

六時半少し前、会場には既に多くの出席者が集まっていた。社長を探しながら会場内を移動しようと思ったが途中声をかけられなかなか中へ進むことが出来ず入口を少し入ったところで立往生状態だ。


「祐世、お手洗いいってきていい?」


人が引いた一瞬のスキに美月が小さな声で伺いをたててくる。


「いいよ。俺も外まで付いて行くよ。」

「いい。祐世はこの辺にいてくれたらいいから。挨拶する人もまだ沢山いそうだし。じゃあ行ってくるね。」

「わかった。戻ってきてもすぐにわかるところにいるから。」


美月が離れるとまた声をかけられた。



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