俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

「うん、病気じゃない。あのね・・・、赤ちゃんができたみたい。」


そう美月から伝えられてもピンとこず脳内で言葉を理解する事数十秒。
思わず『えーっ!赤ちゃん!』と大声で叫んでしまった。

ここが会議室を出てすぐの廊下だと言う事も忘れて。

普段病気にならない美月が昨日体調不良で早退したと聞き心配で今日の診察も一緒に行きたかったが大事な会議があるために渋々俺は会社にやってきた。
会議も終わり直ぐ廊下に出て電話をかけたのだが予想もしていなかった病名、いや病気じゃないな、診断結果に思わず大きな声をあげてしまった。

廊下には会議室から出てきた役員、社員が大勢いたのに。

その中には叔父である社長もいた。


「祐世、赤ちゃんってなんだ?」

「あー、昨日美月が体調不良で早退したので今日病院へ行っていたんですが、どうも病気ではなく妊娠だったと。」

「本当か!おー、こりゃめでたい!こうしちゃおれん。倉橋に美月さんにムリさせないよう仕事の調整をさせねば。」


そう言いながら社長室へと戻って行った。
周りにいた者も『祐世さん、おめでとうございます。』と声をかけ自分の部署に戻って行く。美月が明日出社する頃には大半の社員の耳に入ってるんだろうな。


「ゆ・う・せ・―!」


あっ、ちょっとお怒りモードの美月だ。


「ごめん。思わず大声で叫んだからバレちゃった。」

「もう!明日には大半の人の耳に入ってるわね。安定期になるまでなるべく伏せとくつもりだったのに。」

「ごめん・・・。美月?」

「ん?」

「メッチャうれしい!ありがと。」


何に対して、誰に対してかわからないけど『ありがとう』って言いたくなった。




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