俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
妊娠による悪阻も貧血も思ったほどひどくならず、たまに休みを頂いたが何とか無事に産休に入るまでもう少し。

八月二十七日が予定日だから八月一日からお休みを頂く。

四月から役員フロアーにデスクが移動になった祐世は仕事の合間にちょくちょく秘書室に様子を見に来るので、会社の中では過保護で心配性(美月限定)で有名になった。

八月に入り産休に入ったため日中一人で家にいるのは、ちょっと退屈。
臨月に入って毎週検診と夕飯の買い物に出るくらいしか用事がないから。

でも三十六週の検診で子宮口が一センチ開いてるって言われたから、あまり出歩けないし。なるべく三十七週を超えるまではお腹にいて欲しいしね。
それに一日に数回祐世から様子伺いの電話が入るから、その時外にでもいようものなら心配で飛んで帰ってきそうだし。




三十七週目の検診ではさらに子宮口が一センチ開いていて現在二センチらしい。

検診に付いてきた祐世が『そんなに開いてて大丈夫なのか』と先生に質問しまくっていた。


「大丈夫ですよ。もう三十七週に入りましたからある程度体を動かしている方が安産になりやすいですし。でもお腹の張りにはきをつけて下さいね。」


そうお医者さんは言ってくれたが、心配しすぎな所がある祐世から一人での日中外出禁止令が出そうだな。





明日は三十九週の検診日という所で朝方からお腹がしくしく痛み出した。
便意?と思いトイレに起きるも違う、出ない。
それでも、たまーに痛みがやって来る。

ん?

もしやこれが陣痛?

スマホのストップウォッチ機能を起動させ痛みのくる間隔を測ってみると・・・、十分から十五分の間でやってきている。時計を確認すれば六時過ぎ。お腹が痛いかなー?って思いだしてから一時間ちょっとか。


「ん。・・・美月おはよ。今日は早いね。」


もぞもぞとベッドの中で動いていたから祐世を起こしてしまった。


「おはよ。あのね、どうも陣痛が始まったみたい。」

「・・・。えっ!何呑気に寝ころんでんの?病院行かなきゃ!」

「うんわかってる。でもまだ間隔が一定じゃないし、もう少し様子を見て病院に電話するよ。」

「わかった。でもいつでも出れるように着替えを終わらせて荷物も車に積んでおくよ。」

「ありがと。」


私の妊娠に限ってはずっとオロオロしっぱなしだった祐世が落ち着いて行動してる。



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