俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
「やっぱりいないね。諦めてカラオケ行こっか。」


さっきの女の子達だ。
ちょうど彼女たちからは彼の後頭部しか見えてないから気づかないのだ。

『ここ、ここに彼いますよー!』と呼んでこの人を売りたい。
でも唇を塞がれたままで声を出せない。


「んっ、んーんっ。」


声を出そうとすると一段と合わさった唇が、キスが深くなる。
『ぷはっ。』唇か離れた瞬間、大きく息を吸い込み彼の頬を思いいきりひっぱたいていた。


「いってー。叩くことないだろ。」

「叩かれて当然です!何ならこのまま交番にでも行きますか!」


本気で怒っているのに彼は楽しそうに『しょうがないな。じゃあな。』と頬にキスを落として去って行った。


「しょうがないって何?私が悪いみたいじゃないの!謝りなさいよ!」


大きな声で言う事も出来ずその場で一人ブツブツと文句を言うしか出来ない。

あーっ、せっかく久々に楽しい休日だったのにな。

予備校から出てきた七菜にその後思いっきり愚痴って文句を聞いてもらった。


「私がいない間にそんな面白い事が!」


目をランランと輝かせ話を聞く親友。んー、愚痴る相手間違えたかな。

大事にとってるわけじゃないが、一応私のファーストキスだったのにな。





< 2 / 167 >

この作品をシェア

pagetop