俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
「言い直すなら今の内だけど?どうする?」


今まで自分でも出したことのない冷たい声だった。

まだごまかそうと最初はしていた彼女だったが、俺の冷たい目を見て言い逃れ出来ないと思ったのか、共通テスト会場にも一緒に来ていた事で美月に釘をさしに行ったが、美月は席を離れており、その時たまたま俺とお揃いのチャームを見つけ筆箱から盗んだと白状した。

俺は彼女たちからチャームを取り返し、以後美月に何もしないよう警告をして帰った。
そしてその晩も、いつも通り美月にラインを送った。

【明日から最後のテストだな。わからないとこ無いか?他にも困ったことないか?】

五分ほどで返事が返ってきた。

【ありがと。大丈夫だよ。】

その後も試験が終わる日まで美月はチャームを無くした事を誰にも言わなかった。
このまま入試が終わるまで黙ったままの方がいいのかわからず、試験終わりに大翔と朝倉を呼び止めチャームの事を話した。


「信じられない!それ犯罪じゃない!」


朝倉は予想通り怒りまくっていた。


「たぶん美月はまた自分が何かされてるって言ったら私たちに心配をかけると思ってるんだと思う。だから言ったとしても入試が終わるまで言わないよ、あの子。渡しに行こう。みんなのお守りだし。」


美月に『これ、美月のだろ?』とチャームを渡すと驚きはしていたが予想通りの返答が帰ってきた。『盗られた以外は何もされてなかったから』と。

それからの美月は何かふっ切れたようだった。A大の試験会場にも四人で行こうと。見られても何も悪い事はしてない、仲がいいだけなんだからと。

美月は俺の事をようやく仲の良い友達として見てくてるようになった。

俺がもし告白をしたら、この関係は崩れてしまうのだろうか・・・。

断られてもいい、受験が全て終わったら美月に気持ちを伝えようと決意した。



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