俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
スマホを見ると祐世からの着信と『どこにいる?』『連絡がほしい』などのメッセージが数分おきに届いていた。

その履歴を確認中にも着信があったがスマホをカバンの中にしまい込んだ。

付き合いだして一年半、キスはよくされていたがそれ以上の関係にはなっていない。
七菜は谷川君の家に週一ペースで泊って来るが、私はお泊りもしたことは無い。
必ず日付が変わるまでに家に送られ帰っていた。

それなのに他の人は泊っていいんだ・・・。

男の子の友達ならわかる、彼女ですら泊らせないのに女の子まで・・・。

もしかしたら私は祐世の中でもう彼女じゃないから泊まっちゃいけなかったのか?

祐世は私に別れを切り出せずにいただけで今の彼女はあの腕の中にいた子?

涙が止まらなかった。


いつの間にか泣き疲れ、夕飯だと妹が呼びに来るまで寝ていた。
明らかに泣いた後の顔を見ても誰も何も言わない。


「お風呂、先に入っていい?」


とりあえず一人になりたかった。

お昼も食べていなかったからお腹は減っているはずなのに半分くらいしか食べれなかった。先にテーブルを立ち、風呂に入って飲み物だけを持って部屋に閉じこもった。

カバンからスマホを取り出すと凄い数の履歴が残っていた。
その中には七菜や谷川君からの履歴もあった。
心配するといけないので七菜に実家へ帰っているとメッセージを送ると直ぐに電話がかかってきた。


「美月!心配したんだよ。神崎も連絡付かないって十一時頃に家まで来るし。何があったの。美月、今日デートだったよね。」

「うん。あのね・・・、待ち合わせに・・・。」


思い出しただけで言葉が出なかった。

七菜は何かを感じたのか『明日、私もそっちに行くよ。会って話を聞くから。神崎には美月と連絡が取れたことは黙っておくね。』そう言って電話を切った。

本当にありがたい友達だ。





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