俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
「でっ?昨日もずっとだけど、今朝も神崎から『美月から連絡無いか?』って連絡が来てるんだけど?」


部屋に入ってドアを閉めるなり早く話せと言わんばかりに質問を始めた七菜。


「うん、あのね。昨日、祐世の家に迎えに行ったら・・・」


祐世の家で見た光景について全て話した。


「何それ!神崎許さない!美月、一発くらい殴って帰ってきたらよかったのに!」


七菜はかなりご立腹だ。


「美月って神崎の家に泊まったことないよね?」

「うん。・・・なぜ泊めてくれないのかなって思ってたけど、私をベッドに、彼女以外の人がベッドを使うの嫌だったんだろうね。祐世、彼女の事大事そうにギュって抱きしめて気持ちよさそうに寝てたもん。」

「えっ、それは・・・。」

「時々ね、家の中の、キッチンの物の配置が変わってる時が去年の夏以降にあったの。たぶんあの彼女が来た時に自分の使いやすい配置に変えてたんだろうね。一年も何故だろうって思いながら聞けずにきちゃった。」


涙が出そうなのをグッと我慢してると七菜が優しく抱きしめ『神崎の彼女は美月で間違いないよ』と言ってくれる。

でも私にはそう思えない一つの理由があった。


「そうかな。・・・、あのね、私、泊めてもらえない以外にも思い当たる事があるの。」

「なに?」

「私達、もう一年半になるけどキス以上の事、なにもないの。・・・私は祐世ならって思ってるけど、祐世はそう言う雰囲気全くないし。やっぱり・・・。」


『あんのバカ!』話を聞いた七菜の怒りは頂点に達したみたいだった。


「美月!あと三日くらいは実家にいなさい。バイトもないんでしょ?その間にあのバカ、懲らしめとくから!」

「な、なにするの?」

「心配しなくても大丈夫。暴力は振るわないから。美月はこっちにいる間に神崎とこの先どうしたいか決めなさい。」


そう言って七菜は夕方帰って行った。
私が決めていいみたいに七菜は言っていたが、祐世にはもう思いあう彼女がいて、私が嫌だと言ってもどうにもならないと思う。
それとも私が引きずらないように自分から切れと言う意味で私に決めろと七菜は言ったのだろうか。

考えがまとまらない、私は七菜の言う通り滞在可能なギリギリまで実家にいる事にした。

その間に七菜と谷川君によって祐世が断罪されているとは知らずに・・・。



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