俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
彼と合流し電車でやって来たのは恵比寿ガーデンプレイス。
到着と同時に少し早めのお昼を食べて、映画を観て、後はブラブラ。いつもと変わらないデートだったが、いつもと違ったのは夕飯だった。

家の最寄り駅まで戻って来たので家でゆっくり食べるのかと思いきや『レストラン予約してある』って。手を引かれ連れて来られたのは駅から十分ほど歩いた住宅街にある小さな可愛いレストラン。


「よくこんな店知ってたね。」

「オーナーに教えてもらった。友達の店なんだって。」


完全予約制なだけあって席も五席しかなく、静かでゆっくりと時間が流れているように感じた。
料理もコースが三種類しか無くこだわりの店なんだろう。シェフ兼オーナーと奥さんらしき人ともう一人スタッフがいるだけ。
席に着きシャンパンで乾杯する。


「美月、誕生日おめでとう。」

「ありかとう。」


初めて飲むお酒、炭酸のピリッとした刺激を舌に感じるが甘めで飲みやすい。


「どう?初めてのお酒は。」

「甘くておいしい。」

「よかった。でも飲みやすいからってゴクゴクいっちゃダメだぞ。」

「はーい。でも、もう一杯くらいはいい?」

「もう一杯だけな。」


そんな会話を前菜を持ってきた奥さんが微笑ましく見守ってくれる。


「初めてのお酒なら彼の言う通り二杯までにした方がいいわね。」


最後のデザートを食べ終え店を後にした。


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